私たちがWebサービスを利用したりコンピュータとの通信をしたりする際、ドメイン名を用います。
例えば、Amazon.comで買い物をしたいときは、URL欄にhttps://www.amazon.com/
と入力します。
この、"www.amazon.com"に当たる部分が広義でのドメイン名になります。
(正確にはamazon.comがドメイン名、www.amazon.comはFQDNと呼びますが、ここではwww.amazon.comまでをドメイン名と考えていきましょう。)
そのドメイン名を、コンピュータが理解できるIPアドレスに変換してくれているのがDNSサーバです。
そのDNSサーバが最初にアクセスするのが、DNSルートサーバで世界に13か所存在しています。では、その13か所はどこにあるのでしょうか。
そもそもDNSサーバとは何か
DNSルートサーバとは何か
DNSルートサーバがどこにあるのか
そもそもDNSサーバとは?
その前に、そもそもDNSサーバとはなんでしょうか。DNSサーバとは、ドメイン名とIPアドレスの対応付けをしてくれるサーバのことです。
ドメイン名とは、本ブログでいうと、URL"https://ryonotes.com"の"ryonotes.com"の部分です。
Amazon.comでいうと、 "https://www.amazon.com/ "の"www.amazon.com"の部分ですね。
私たちは、このドメイン名を使ってWebサーバにアクセスします。ところが、ドメイン名はWebサーバには理解できません。なぜなら、ドメイン名は、人間がHPなどの場所を分かりやすくするために付けている名前だからです。
そこで、DNSサーバがドメイン名をIPアドレスに変換することで、コンピューターがアクセス先を理解できるようになります。
※DNSサーバについて詳しく知りたい方はこちら。
DNSサーバが名前解決を行う際、最初にアクセスするDNSサーバがDNSルートサーバです。では、ここからはDNSルートサーバとは何か、どこにあるのかを説明していきます。
DNSルートサーバとは?
DNSルートサーバは、クライアントのDNSサーバ(これをフルサービスリゾルバと呼びます)が名前解決する際にアクセスしていくDNSサーバの中で最も上位にあるサーバのことです。
.jp、.com、.net、.infoなどのドメインをトップレベルドメインと呼びます。DNSルートサーバは、これらトップレベルドメインを管理するDNSサーバの情報を保管しています。
そのため、フルサービスリゾルバはDNSルートサーバに問い合わせすることで、トップレベルドメインにリクエストすることができるようになります。
そのDNSルートサーバが、さらに下層のDNSサーバの情報を持っているので、フルサービスリゾルバは目的のDNSサーバへ到達することができます。
例えば、.comドメインを管理するDNSルートサーバは、amazon.comドメインのDNSサーバ情報を管理しています。フルサービスリゾルバは、DNSルートサーバからamazon.comのDNSサーバの情報を手に入れて、そのDNSサーバへリクエストを送ります。
amazon.comドメインを管理するDNSサーバには、www.amazon.comドメインのDNSサーバ情報を管理しています。フルサービスリゾルバは、amazon.comドメインのDNSサーバからwww.amazon.comのDNSサーバの情報を手に入れて、そのDNSサーバへリクエストを送ります。
このように、DNSルートサーバへのリクエスト・レスポンス、その下層のDNSサーバへのリクエスト・レスポンスを繰り返すことで、目的のドメインの名前解決を行うことができます。
そんなDNSルートサーバですが、世界に13か所存在しています。それぞれ世界のどこにあるのでしょうか。
DNSルートサーバはどこにあるのか
世界に存在する13か所のDNSルートサーバは、以下の場所に存在しています。
それぞれのDNSルートサーバは、サーバ名がA~Mで分類されており、運用組織が決まっています。
サーバ名 | 略称 | 運用組織 | 組織種別 |
---|---|---|---|
a.root-servers.net | A-Root | ベリサイン(米国) | 企業 |
b.root-servers.net | B-Root | 南カリフォルニア大学情報科学研究所(米国) | 大学 |
c.root-servers.net | C-Root | コジェント・コミュニケーションズ(米国) | 企業 |
d.root-servers.net | D-Root | メリーランド大学(米国) | 大学 |
e.root-servers.net | E-Root | NASAエイムズ研究センター(米国) | 米国省庁 |
f.root-servers.net | F-Root | インターネット・システムズ・コンソーシアム(ISC)(米国) | 非営利団体 |
g.root-servers.net | G-Root | 国防総省ネットワークインフォメーションセンター(米国) | 米国省庁 |
h.root-servers.net | H-Root | 陸軍研究所(米国) | 米軍 |
i.root-servers.net | I-Root | Netnod(スウェーデン) | 非営利団体 |
j.root-servers.net | J-Root | ベリサイン(米国) | 企業 |
k.root-servers.net | K-Root | RIPE NCC(オランダ) | 欧州地域IPアドレスレジストリ |
l.root-servers.net | L-Root | ICANN(米国) | 非営利団体 |
m.root-servers.net | M-Root | WIDEプロジェクト/JPRS(日本) | 研究プロジェクト/企業 |
まとめ
DNSルートサーバは、世界でたった13か所にしかありません。そのDNSルートサーバが、全DNSサーバの元締めをしているといった感覚です。
実は、アジアの中でも唯一日本にDNSルートサーバがあります。興味のある方は、詳細を調べてみてもらえたらと思います。