ネットワーク、特にOSI基本参照モデル第3層のルータの勉強をしていると出てくるのが、
- デフォルトゲートウェイ
- デフォルトルート
似ているようで、違いやそれぞれの役割がわかりにくいですよね。
そこで今回の記事では、デフォルトゲートウェイとデフォルトルートの違いについて説明していきます!
デフォルトゲートウェイとは
そもそもゲートウェイとは?
ゲートウェイ(Gateway)とは、「出入口」という意味です。
つまり、ネットワークにおけるゲートウェイとは、ネットワークをつなぐための出入口になる機器(役割)を指します。
デフォルトゲートウェイの意味
デフォルトゲートウェイとは、異なるネットワークをつなぐための出入口となるための機器(役割)を指します。
例えば、ルータはデフォルトゲートウェイの役割を果たす機器の一つです。上記で「機器(役割)」と記載しているように、
- デフォルトゲートウェイとしての役割を果たす機器の一つにルータがある
- デフォルトゲートウェイという機器の一つにルータがある
というように、デフォルトゲートウェイは、ネットワークをつなぐ機器そのものを指すこともあれば、その役割を指すこともあります。
そこは、デフォルトゲートウェイという言葉のその場での使われ方次第ですね
デフォルトゲートウェイの利用場面
ここからは、
- 送信元のネットワークのPCやルータのことを、自PCや自ルータ
- 宛先のネットワークのPCやルータのことを、宛先PCや宛先ルータ
と呼びます。
PCがパケットを送る際、自PCのルーティングテーブルを参照します。
※ルーティングテーブルとは
PCやルータにおいて、
「このネットワークへのパケットは、この機器のIPアドレスに転送しますよ」
というものがまとめられたテーブルのこと。
ちなみに、Windows PCだと、コマンドプロンプトで"route print"というコマンドを使うとルーティングテーブルを表示できます。
ルーティングテーブル参照の結果、宛先が同じネットワークの場合
自PCは自身のルーティングテーブルに従ってパケットを送信します。
このとき、宛先PCは同じネットワーク内なのでデフォルトゲートウェイは介しません。
ルーティングテーブル参照の結果、宛先が違うネットワークの場合
一方、自PCと違うネットワークにいる宛先PCに通信するとき、
自PCは自身のルーティングテーブルに記載してあるデフォルトゲートウェイへ転送します。
つまり、
この宛先PCのIPアドレスはよく知らないから、デフォルトゲートウェイさんあとはお願いいたします!
という感じで、デフォルトゲートウェイであるルータに投げてしますわけですね。
さらに、自ルータのルーティングテーブルにも宛先PCのIPアドレスの記載がないとき、自ルータは自身のルーティングに記載しているデフォルトゲートウェイへ転送します。
下図を参考に、自PCからデフォルトゲートウェイを通って、宛先PCにパケットが渡る流れを見ていきましょう。
自PC→自ルータ
自PCのルーティングテーブルには、宛先PCのルーティングテーブルは載っていません。(違うネットワークだから)
そのため、パケットはデフォルトゲートウェイである自ルータに渡されます。
自ルータ→宛先ルータ
パケットを受け取った自ルータは、自分のルーティングテーブルを確認してルーティングを行います。宛先のIPアドレスは違うネットワークなので、自ルータのルーティングテーブルには載っていません。
そのため、パケットはデフォルトゲートウェイである宛先ルータに渡されます。
宛先ルータ→宛先PC
パケットを受け取った宛先ルータは、自分のルーティングテーブルを確認してルーティングを行います。宛先が同じネットワーク内であれば、ルーティングテーブルに載っています。そのルーティングテーブルを参照して、宛先PCにパケットを届けます。
デフォルトルートとは
ここまでデフォルトゲートウェイについて説明しましたが、同じような言葉であるデフォルトルートとはなんでしょうか。
デフォルトルートとは、その名の通りデフォルトゲートウェイまでのルートのことです。
上述しましたが、PCやルータのルーティングテーブルには、デフォルトゲートウェイを記載します。そのデフォルトゲートウェイへのルートが、まさにデフォルトルートです。
上図でいうと、自PC→自ルータ、自ルータ→宛先ルータの経路のことをデフォルトルートと言います。
ルーティングテーブルにおいて、デフォルトルートは、
宛先:0.0.0.0/0
転送先(next hop):デフォルトゲートウェイのIPアドレス
と記載します。この、0.0.0.0/0というのが、「ルーティングテーブルに明示的に記載していない宛先、つまり自PCや自ルータが知らない宛先」という意味です。
このデフォルトルートを使ってデフォルトゲートウェイへパケットを転送してあげることで、違うネットワーク同士でも通信できるようになる、というわけなのです。
【まとめ】デフォルトゲートウェイとデフォルトルートの違い
簡単にですが、今回説明したデフォルトゲートウェイとデフォルトルートの違いをまとめました。ぜひ、ご参考にしていただければと思います。
- 機器や役割のこと
- 異なるネットワーク同士の通信をつなぐ
- デフォルトゲートウェイ=ルータ と思っていい
- デフォルトゲートウェイまでのルート
- ルーティングテーブルにおいて、「宛先:0.0.0.0/0」であるルートのこと