なぜやりたいことが見つからない?
「やりたいことがない・・・」
と言う人、多いのではないでしょうか。
私もその一人でした。
でも、社会や学校は、
「早くやりたいことを見つけなさい」
「やりたいことに向かって突き進むだけ!」
などと言って、私たちを焦らせます。
そんなこと言われても、やりたいことがないものはないし、やりたいことがある人が羨ましく思います。
なんでここまでやりたいことが見つからないのでしょうか。
問題①:選択肢が多すぎる
ひと昔のキャリア選択は、ほぼ自分の親の影響で決まっていたのではないでしょうか。
公務員の子どもは公務員を勧められ、会社員の子どもは安定した大手企業を勧められ、家業を営んでいる親の子は家業を継がされる。
ある意味簡単な人生設計でした。
私たちはいま非常に便利になった世の中に生きています。
スマホ一つ通じて、さまざまな職業の人とつながることができます。
ただ、それが故に膨大な人生の選択肢に埋もれてしまっているとも言えます。
そんな膨大な選択肢から人生を選択するのですから、容易ではありません。
問題②:メリットしか考えない
多くの人は会社選びの際、その会社が自分にメリットであるかどうか考えると思います。
「大手企業で安定している(職を失うことはないだろう)」
「自分のためになるスキルを身につけられる会社だ」
しかし、これからの社会どうなるか分かりません。
今の当たり前が未来では当たり前ではないのです。
実際、約10年前までの世界時価総額ランキングは、
日系企業が上位を占めていました。
しかし現在は、上位にランクインしているのはトヨタ自動車くらいです。
今はメリットを得られるかもしれませんが、
それがずっと続くかどうかは分からないのです。
やりたいこと探しの5つの間違い
では、どうすればやりたいことを見つけることができるのでしょうか。
その前に、多くの人がよく陥りがちな、
やりたいことを考える際の5つの間違いについて説明します。
間違い①:一生やりたいことでなければいけない
「やりたいことなんて、それで一生食っていけるかわからないし」
「一度決めても、一生それが続くのかな~」
こんな風に、「やりたいこと」をすごく壮大なもののように考える人が多いような気がします。
果たして、今やりたいことを一生続けなければいけませんでしょうか。
まして、人生100年時代と言われている現代において、
同じことに執着するのはリスキーなことではありませんか?
このへんかの激しい時代において、
一番重要なことは変化に対応していくことだと思います。
その意味でも、「やりたいこと」が一生のものでなくてもいいのです。
× |
〇 今やりたいことをやればいい それが続くことで、一生やりたいことができる人生になる |
間違い②:運命的な出会いがある
ありません。
やりたいことというのは、触れていってだんだんと育てていくものなのです。
あのスティーブ・ジョブズも、最初は東洋思想やカリグラフィーに強い関心を持っていました。
それでも、ITとの出会いで次第にITに興味を持ち始め、育て続けた結果世界最大規模の会社を作り上げることになったのです。
〇 最初は興味レベルで良い そこからだんだんと育てていく |
間違い③:人の役に立つことでなければいけない
人の役に立つかは後で考えることです。
多くの起業家は、まず自分の面白いことを追求し、
そのあとでそれをどう価値あるものとして、社会に提供するかを考えます。
順番が逆なんですね。
〇 まず自分のために生きる その結果人のためにもなることをしていたという流れ |
間違い④:やりたいことを見つけるには行動するしかない
これについては、一部正しいと思います。
なぜなら、行動することで選択肢を増やすことができるからです。
しかし、選択肢を増やしたからと言って、
そこから自分が選べるかは別問題。
例えば、洋服屋さんはたくさんあるけれど、
自分の好みの服がはっきりしてないと、そこから服を選びきれませんよね。
それと同じで、やりたいことを選択肢から選ぶには、
自分の中で基準がはっきりしていないといけないのです。
〇 行動した上で、自分の基準をはっきりさせるための自己理解が重要 |
間違い⑤:やりたいことが仕事にならない
こんな人も多いと思います。
「こんなことしたいけど、これじゃあ食っていけないしな・・・」
でも、やりたいことがそれならすればいいじゃないですか。
やりたいことは私たちの心の中にあります。
あとは、社会でそれをどう実現するかを考えるだけです。
やりたいことは一つとは限りません。
お金になるか分からないことと、
安定した生活のどちらもやりたいことであるなら、
二つとも叶えられるような場所を社会で見つけるべきではないでしょうか。
〇 やりたいことは自分の中にあり、 社会はそれをどう実現するかの場所 |
どうやってやりたいことを見つける?
では、ここからはどのようにしてやりたいことを見つけるのかを説明していきます。
キーワードは、
- 好きなこと(What)
- 得意なこと(How)
- 大事なこと(Why)
です。
好きなことは、あなたの興味のある事や分野です。
得意なことは、あなたが苦にならず、進んで取り組めるアクションです。
例えば、飛行機が好き(好きなこと)で、
誰かにサービスしてあげる(得意なこと)のが得意なのであれば、
CAになりたい!
と言った具合です。
つまり、好きな分野において(好きなこと)、
どのように振舞いたいか(得意なこと)、
それがあなたのやりたいことになります。
さらに、それに加えて大事なことを考えます。
大事なことはさらに2つに分けられます。
- 自分にとって大事なこと、どう生きたいかといった人生観(内側)
- 周りをどういう状態にしたいか(外側)
ここで大切なことは、
「大事なこと」→「得意なこと」→「好きなこと」
の順番で考えることです。
そして、「~すべき、しなければいけない」
といった社会観念は捨てましょう。
それは、自分の人生ではなく、社会の人生を生きることになります。
必ず、「自分がしたい、なりたい」と思える人生観を考えましょう。
この3つを自信を持って言えるようになれば、
それが完全にあなたのやりたいことであるでしょう。
まとめ:「世界一やさしい『やりたいこと』の見つけ方」
いかがでしたでしょうか。
私も、「やりたいこと」の考え方について、
間違っていたところがたくさんありました。
何よりも先に「大事なこと」である人生観をはっきりさせる必要があります。
そうすれば、いつか好きなことや得意なことが見つかったときに、
それが必ずやりたいこととなり、
幸せと思える人生が待っているのではないでしょうか。
世界一やさしい『やりたいこと』の見つけ方 八木 仁平 (著)