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【ネットワーク初心者向け】WANとVPNの違いは?VPNの種類も分かりやすく説明

WANとVPNの違い|2種類のVPN

ネットワーク構築の関する用語として、

  • LAN
  • WAN
  • VPN
  • 広域イーサネット

など、似たような意味で違いが分かりにくい用語がたくさん存在します。

そこで今回の記事では、上記の中のWANとVPNの違いについて説明したいと思います。

WANとは何か

VPNとは何か

WANとVPNの違い

WANとは

WANとは何かを理解するためには、まずWANと比較される「LAN」について理解しておく必要があります。

LANとは

LAN(Local Area Network)とは、一言でいうと、ある建物内などの限定されたネットワークのことを指します。

例えば、限定された場所が社内であれば「社内LAN」、家の中であれば「家庭内LAN」などといった呼び方をします。

LANでは、同じLAN内にいるコンピューター同士の通信は行うことができます。しかし、後述のWAN(インターネットを含む)がなければ、LANの外のネットワークと通信するとはできません。

LANとの違いでわかるWANの特徴

WAN(Wide Area Network)とは、上記の限定的なネットワークであるLANとLANをつなぐネットワークのことを指します。

つまり、WANを構築することでLAN同士、例えば

  • 企業の拠点Aと拠点B
  • 家庭内のネットワークとインターネット

などが通信できるようになるのです。

LANとWANの大きな違いの一つは、

ネットワークを誰が構築するか

です。

LANは、そのネットワークを利用する人が構築しなければなりません。社内LANであれば社内の人間が、家庭用LANであれば家族の誰かが構築します。

一方WANは、通信事業者(通信キャリア)が構築します。

通信事業者(通信キャリア)とは、NTTやKDDI、ソフトバンクなどの会社のことです。

社内ですと想像がつきにくい人もいるかもしれませんので、家庭内のことを想像してみます。引越しをする際、通信事業者がインターネット回線の開設工事をすることが多いかと思います。これはまさに、家庭内からインターネットにつながるようにする、つまりWANを構築する工事であるのです。

ここまでで、

  • WANとは、LANとLANをつなぐためのネットワークである
  • WANは、通信事業者(通信キャリア)が構築するものである

ことがお分かりいただけたかと思います。

特に2番目ですが、WANは通信事業者によって構築されるということは、通信事業者ごとにWAN構築のサービスがあってもおかしくありません。

まさに、WANを構築するための技術(サービス)が、次に紹介するVPNなのです。

それでは、VPNの説明に移ります。

VPNとは|WAN構築の技術

上述しましたように、

VPNとは、WANを構築する、つまりLANとLANをつなげるための技術の一つです。

ここで、「LANとLANをつなげる」というところをもう少し具体的に説明しておきます。ここでのLANは、社内LANをイメージしてください。

ある企業の拠点AにLANを構築し、拠点A内からのみアクセスできるファイルサーバーがあったとします。拠点Aに構築されているのはLANですので、もちろん外部からアクセスすることはできません。
その企業が、新たに拠点Bを開設しました。拠点BにももちろんLANを構築しています。しかし、このままでは拠点Bの人は、拠点Aのファイルサーバーにはアクセスできません。必要なファイルがあっても入手できないのです。(図1)

図1

そこで、拠点AB間を通信可能にするのがVPNです。通信事業者にVPN接続工事をしてもらいます。そうすることで、拠点Bの人も、拠点Aにアクセスできファイルサーバーのファイルを入手することができます。(図2)

WANとVPNの違い
図2

以上の例から、VPNは、WANを構築する技術の一つであり、LAN間をつなぐものであるということはご理解いただけたのではないでしょうか。

もう1点重要なことが、VPNは通信事業者回線あるいはインターネット回線を利用した、仮想的な専用ネットワークであるということです。

VPNは、「Virtual Private Network」の略です。その名の通り、バーチャルな(仮想的な)、プライベートの(専用の)ネットワークです。

データが流れる物理回線は、通信事業者によって構築される

  • 通信事業者の専用の回線
  • インターネット回線

になります。

以上、VPNとは何か説明してきました。簡単にまとめを記載します。

VPNとは

WANの一種であり、LAN間を仮想的な専用線でつなぐもの

VPNは、通信事業者の専用回線かインターネット回線によって構築される

VPNの種類

上記で、VPNは

  • 通信事業者の専用の回線
  • インターネット回線

のどちらかで構築されるとありました。

この両者でVPNの種類が異なるので、それぞれ説明していきます。

IP-VPN|通信事業者の専用の回線

IP-VPNは、上記のうちの通信事業者の専用の回線を利用したVPNになります。

特徴は、通信事業者専用の回線(インターネットのような公衆回線ではない)なので、セキュリティが非常に高いです。
また、自組織のみが専用してるため、他組織のトラフィックの影響を受けない、つまり通信速度が安定します。

一方で、後述のインターネット回線を利用するVPNに比べると費用が高くなります。

インターネットVPN|インターネット回線

インターネットVPNは、上記のうちインターネット回線を利用したVPNになります。

特徴は、IP-VPNと比較して費用は安く抑えることができます。また、通信は暗号化することができるので、セキュリティもある程度は担保することができます。

一方で、IP-VPNに比べると他組織のトラフィックの影響を受ける可能性があります。インターネット回線という公衆回線なので、他組織の通信量が多くなるとその分トラフィックの遅延を引き起こす可能性もあります。
また、通信は暗号化できるとはいえ、通信事業者専用の回線であるIP-VPNに比べると、セキュリティは劣ります。

【まとめ】WANとVPNの違い

今回は、WANとVPNについてそれぞれ何かを説明し、両者の違いをお分かりいただけたかと思います。

WANとVPNの違いについて、以下に簡単にまとめます。

WANとVPNの違い

WANは、限定的なネットワークであるLAN間をつなぐネットワークの総称である

VPNはWANの一種であり、LAN間を仮想的な専用線でつなぐもの

VPNは、通信事業者の専用回線かインターネット回線によって構築される