株式発行の仕訳、剰余金の配当と処分についての仕訳が分かる!
重要用語
【負債】
未払配当金・・・株主総会で配当金は決定するが、支払いは後日になるため負債になる。
【資本】
繰越利益剰余金・・・損益勘定を振り替えるための勘定科目。
利益準備金・・・剰余金処分の際の行き道の一つ。会社法で積み立てが強制されている。
【その他】
損益・・・当期純利益を処理するための勘定科目。
株式発行と増資の際の仕訳
株式会社とは、株式を発行し株主に出資してもらうことで成り立っている会社のことをいいます。
それでは、株式を発行した際と増資した際の仕訳を見ていきましょう。
(例)「株式を発行した際の仕訳」
A㈱は、株式を100株発行し、1株あたり10円とした。全株式の払い込みを受け、払込金額は当座預金とした。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
当座預金 | 1000 | 資本金 | 1000 |
(例)「増資した際の仕訳」
A㈱は、増資のため株式を20株発行し、1株あたり10円とした。全株式の払い込みを受け、払込金額は当座預金とした。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
当座預金 | 200 | 資本金 | 200 |
当期純損益を計上した時の仕訳
決算日において、収益から費用を引いた当期純利益や当期純損失を計算します。この当期純損益は、損益勘定というもので処理します。具体的には、当期純利益の場合は貸方に損益を、当期純損失の場合は借方に損益を記入します。このように、決算日には当期純損益を損益勘定に振り替えます。
さらにこのあと、損益勘定を繰越利益剰余金(資本)に振り替えます。具体的には、貸方の損益は借方に、繰越利益剰余金(資本)を貸方に振り替えます。つまり損益が資本の増加に振り替えられるのです。
(例)「当期純利益を計上した時の仕訳」
A㈱は、決算日において当期純利益100円を計上した。
(つまり、このときすでに貸方に損益勘定が仕訳されている
➡ 繰越利益剰余金に振り替え)
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
損益 | 100 | 繰越利益剰余金 | 100 |
剰余金の配当、処分をしたときの仕訳
株式会社において、繰越利益剰余金は配当金として株主に還元したり、利益準備金(資本)として積み立てたりします。このように、繰越利益剰余金の使い道を決めることを配当と処分といいます。
(例)「繰越利益剰余金の配当、処分の際の仕訳」
A㈱は、株主総会において、繰越利益剰余金1000円を次のように使うことが承認された。(株主配当金 500円 利益準備金 50円)
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
繰越利益剰余金 | 550 | 未払配当金 | 500 |
利益準備金 | 50 |
まとめ
・株式発行、増資の仕訳
・当期純損益を計上する際の仕訳
➡ 損益勘定を繰越利益剰余金に振り替える。
・剰余金の配当、処分の仕訳