簿記における現金の仕訳の方法が分かる!
重要用語
他人振出小切手・・・他人が金額を記入して渡してきた小切手。
通貨代用証券・・・簿記上、現金として扱うものの総称。(他人振出小切手、送金小切手、郵便為替証券など)
帳簿残高・・・帳簿において、計算上あるべき現金。
実際有高・・・実際に会社にある現金。
【費用】
雑損・・・特定の勘定科目に当てはまらない費用。
【収益】
雑益・・・特定の勘定科目に当てはまらない収益。
【その他】
現金過不足・・・帳簿残高と実際有高が不一致のときに、一致させるために用いる。
他人振出小切手の仕訳
代金の支払いの際、他人から振り出された小切手のことを他人振出小切手といいます。
簿記では、他人振出小切手は現金として扱います。
(例)「他人振出小切手の処理」
A㈱は、C㈱に商品150円を売り上げ、代金はC社振り出しの小切手で受け取った。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
現金 | 150 | 売上 | 150 |
仕入の際に小切手を用いた場合も、現金の減少として仕訳をします。
帳簿残高と実際有高を合わせる仕訳
会社では、定期的に帳簿残高(帳簿上、いま存在する現金)と、実際有高(実際存在する現金)をチェックしなければいけません。
もし、金額が一致していなかったら、帳簿残高が実際有高に一致するように修正します。ここで、辻褄を合わせるための勘定科目が「現金過不足」です。
(例)「『実際有高 < 帳簿残高』 の場合」
現金の帳簿残高は120円であるが、実際有高が100円であった。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
現金過不足 | 20 | 現金 | 20 |
(例)「『実際有高 > 帳簿残高』 の場合」
現金の帳簿残高は100円であるが、実際有高が120円であった。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
現金 | 20 | 現金過不足 | 20 |
現金過不足の原因が判明した時の仕訳
(例)「借方の現金過不足を解消する場合」
Step1:現金の帳簿残高は120円であるが、実際有高が100円であった。
Step2:その後の調査で、通信費20円の記帳漏れが発覚した。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
現金過不足 | 20 | 現金 | 20 |
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
通信費 | 20 | 現金過不足 | 20 |
(例)「貸方の現金過不足を解消する場合」
Step1:現金の帳簿残高は100円であるが、実際有高が120円であった。
Step2:その後の調査で、売掛金20円の回収の記帳漏れが発覚した。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
現金 | 20 | 現金過不足 | 20 |
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
現金過不足 | 20 | 売掛金 | 20 |
現金過不足の原因が決算日までに判明しなかった時の仕訳
(例)「借方の現金過不足の原因が判明しなかった場合」
Step1:現金の帳簿残高は120円であるが、実際有高が100円であった。
Step2:決算日までに原因が判明しなかったため、雑損として処理。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
現金過不足 | 20 | 現金 | 20 |
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
雑損 | 20 | 現金過不足 | 20 |
(例)「貸方の現金過不足の原因が判明しなかった場合」
Step1:現金の帳簿残高は100円であるが、実際有高が120円であった。
Step2:決算日までに原因が判明しなかったため、雑益として処理。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
現金 | 20 | 現金過不足 | 20 |
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
現金過不足 | 20 | 雑益 | 20 |
まとめ
・他人振出小切手の仕訳(現金として処理)
・帳簿残高と実際有高を合わせる仕訳
①現金過不足で処理
②原因が判明したら現金過不足解消の処理
③原因が判明しなかったら雑損・雑益で処理